正直不動産 (ネタバレ) 7巻!既存不適格です。
永瀬はマンションの部屋の売却オーナーに営業をかけている。
オーナー「藪」は今住んでいる築50年のマンション「イニシエーノ吉祥寺」を売却して長野で手打ちそば開業したく、早急に現金が欲しい。
マンションは吉祥寺駅まで近く需要が高く、相場は4800万円とされている。
しかし永瀬は相場で買い手は「到底見つけられない」その原因は既存不適格。
「既存不適格はいったいどう言うことか?」「何故買い手が到底見つけられないのか?」
そんな買い手を見つけにくいマンションだが買い手を紹介する桐山。
いったい買い手は何者?
「正直不動産 (ネタバレ) 7巻!既存不適格・売る地獄、売らぬ地獄」紹介します。
既存不適格とは?
既存不適格は建物の完成時の基準で合法的に建てられたものが、そのあと法改正や都市計画変更にて現行法に対して不適格な部分が生じた建物のことを言う。
原則としてその場所に建て替える時に現行法に合わせて建築が必要になります。
現行法で不適格となっても実使用上問題なくそのまま使い続ける事が可能です。
注意しないといけない事があります。
建物を売買する場合金融機関から住宅ローンを通す事がほぼ不可能になります。
購入される買い手さんは現金で一括購入するしかありません。
場合により市場相場より低い売却金額にしないと買い手がつかないので慎重に売却計画を立てる必要があります。
「既存不適格」売る地獄、売らぬ地獄
売却したいオーナー「藪」のマンションは既存不適格。
違法建築ではないが、着工時は適法だったが現行法に変わり適合しない部分が生じ既存不適格になってしまった。
建築規模を容積率で制限するようになり現行法では10%容積率オーバーになってしまった。
しかし、マンションは吉祥寺駅にも近く人気は高い。
人気があるだけに問題なく売却できそうだが実は中々買い手が付かない。
それは既存不適格の建物には金融機関からの住宅ローンが通らず買い手は現金一括購入するしかなくなるからだ。
買い手は既存不適格の建物を購入するリスクがある。
尚且つ早期で売却したい場合は現金でも購入しやすく相場よりかなり安くする必要がある。
まさに早く売ろうとすれば買い叩かれ、売却を諦めてそのまま維持しようとしてもいつか必ず来る大規模修繕が必要となりお金がかかる。
売るも地獄、売らぬも地獄。
永瀬はどのように営業したか
既存不適格のデメリットばかりでなく永瀬は逆にメリットを考えた。
- マンションがある街や現状の建物が好きでずっとそこに住みたい人は相場より安く買える。
- 投資用物件とて購入して収益を得る場合も相場より安いから初期費用を抑えられる。
売却ターゲットを絞り再度オーナー「藪」へ価格交渉するため訪問。
相場4800万円に対してオーナー「藪」は限界の4000万円を返答。
永瀬は3800万円なら購入を考える投資家がいると更なる値下げを要求。
オーナー「藪」は不本意ながら渋々応じた。
そのタイミングで別の不動産会社から買い手が見つかったと連絡。
買い手を見つけてきたのは永瀬も驚きの「ブローカー桐山」だった。
ブローカー桐山現る
桐山がオーナー「藪」提示したのは買取りで3500万円。
大手デベロッパーが買い手。
永瀬から提示された3800万円を渋々了承したオーナー「藪」も困惑と驚きの様子。
しかし、町の小さな不動産屋にかどの期待を抱くより「大手の評価は絶対」と桐山は言う。
数日後オーナー「藪」は大手の信用が最良と考え売り渡すことを決意した。
桐山は以前から仕込んでいた。
イニシエーノ吉祥寺は築50年で4回目の大規模修繕を検討しているが区分所有者から将来を「考え売れず、貸せず」となる前に建て替えの意見があった。
マンション建て替えには区分所有者5分の4の合意が必要だが、桐山は区分所有者の7割から内々建て替えの同意を得ていた。
そしてマンション建て替え案件として大手デベロッパーに持ち込んでいた。
永瀬の知っている桐山はそこには無く、遠い存在になっていた。
まとめ
「正直不動産 (ネタバレ) 7巻!既存不適格・売る地獄、売らぬ地獄」紹介しました。
築50年も経つマンションや建物であれば、当時から今まで法律も変わってしまう事は仕方ありません。
しかし建築当時に予測はできません。
区分所有されているオーナーはまさに「売る地獄、売らぬ地獄」を見てしまうことになります。
悔しいですが、現状を見極め打つことが最善策でしょう。
オーナー「藪」は早く売却したいので3500万円で売却を決めましたが、少し時間に余裕があれば永瀬が考えていたように3800万円で投資家に売却成功したかもしれませんね。
桐山は仕事出来過ぎで凄腕のブローカーになっていました!
永瀬も独立して自由に画策できる立場になれば正直営業を生かして凄腕になるでしょう。
元不動産業者の私がオススメするコンテンツ紹介した記事「正直不動産(ネタバレ)1巻〜15巻」ありますので(ネタバレ注意)で参考にしてください。
「正直不動産に興味がある人」「不動産の購入を考えている人」「不動産営業をしている人」におすすめ。
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